第4話 失敗作
作陶していると当然失敗作が出てくる。
成形での失敗、乾燥での失敗、焼成での失敗、など
他にも焼成後でも色や形が気に入らなくて失敗作とする場合もある。
問題はその失敗作のその後である。
焼成前ならまた土の状態に戻す事ができるが、焼成後の失敗作の
処理の仕方にはいつも悩まされる。 冷め割れ(冷却中に入るひび割れ)と
言って、見た目には全然キズは無いのだが水を入れると漏れてくる作品など
は特に困る。
気難しい作家や完璧主義の作家ならその場で叩き割っているのだろうが、
私はまずその場で割ると言う事はしない。どうしてかと問われると理由は
色々あるが、よく陶芸家のイメージとして定着している
派手に、しかもこれ見よがしに割るという行為自体が好きではない
からだろう。
確かに作品は自分の手から作りだすものだが、自分一人の力で出来て
いる訳では決してない!つまり、土を使いガスや電気、薪を使って始めて
作品は出来あがるのである。
エコロジーが叫ばれている現在、特に薪窯に費やされる薪の量なんて
半端じゃないし、焼成によって二酸化炭素を放出しまくっているのだ。
それを自分が気に入らないと言って意図も簡単に割るというのは、
あまりにも無責任な行為だと感じてしまう。
確かに、粉々に割れてしまった作品や大きく裂けてしまった作品に
ついては廃棄処分にするしかないが、ある程度きちんと焼きあがって
いるのに少々のキズがある作品や、色が気に入らない作品はとりあえず
保存しておくようにしている。
しかし、もちろんそれらの作品が個展に並ぶ事は無い。
かと言って、作陶には失敗が付き物なので失敗作はたまる一方だ。
食器に関しては家使いにしている。
だから、我が家は「紺屋の白袴」状態だ。
水が漏れる花器などはドライフラワー用や植木鉢にも変身している。
小銭入れや鉛筆立て、灰皿やゴミ箱にも変身する、
まともな食器や花器は家の中にはひとつも無い!やれやれである!
陶芸作品は後に残る物である。はっきり言って初期の作品などは
回収したいものがいくつもある。しかし、自分の未熟さをもひっくるめての
作品である。失敗作を手元に置いておく事はその場で作品を割る事ほど
簡単ではない。
2000年2月5日
成形での失敗、乾燥での失敗、焼成での失敗、など
他にも焼成後でも色や形が気に入らなくて失敗作とする場合もある。
問題はその失敗作のその後である。
焼成前ならまた土の状態に戻す事ができるが、焼成後の失敗作の
処理の仕方にはいつも悩まされる。 冷め割れ(冷却中に入るひび割れ)と
言って、見た目には全然キズは無いのだが水を入れると漏れてくる作品など
は特に困る。
気難しい作家や完璧主義の作家ならその場で叩き割っているのだろうが、
私はまずその場で割ると言う事はしない。どうしてかと問われると理由は
色々あるが、よく陶芸家のイメージとして定着している
派手に、しかもこれ見よがしに割るという行為自体が好きではない
からだろう。
確かに作品は自分の手から作りだすものだが、自分一人の力で出来て
いる訳では決してない!つまり、土を使いガスや電気、薪を使って始めて
作品は出来あがるのである。
エコロジーが叫ばれている現在、特に薪窯に費やされる薪の量なんて
半端じゃないし、焼成によって二酸化炭素を放出しまくっているのだ。
それを自分が気に入らないと言って意図も簡単に割るというのは、
あまりにも無責任な行為だと感じてしまう。
確かに、粉々に割れてしまった作品や大きく裂けてしまった作品に
ついては廃棄処分にするしかないが、ある程度きちんと焼きあがって
いるのに少々のキズがある作品や、色が気に入らない作品はとりあえず
保存しておくようにしている。
しかし、もちろんそれらの作品が個展に並ぶ事は無い。
かと言って、作陶には失敗が付き物なので失敗作はたまる一方だ。
食器に関しては家使いにしている。
だから、我が家は「紺屋の白袴」状態だ。
水が漏れる花器などはドライフラワー用や植木鉢にも変身している。
小銭入れや鉛筆立て、灰皿やゴミ箱にも変身する、
まともな食器や花器は家の中にはひとつも無い!やれやれである!
陶芸作品は後に残る物である。はっきり言って初期の作品などは
回収したいものがいくつもある。しかし、自分の未熟さをもひっくるめての
作品である。失敗作を手元に置いておく事はその場で作品を割る事ほど
簡単ではない。
2000年2月5日
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- 第1話 陶芸家という職業 (1)
- 第2話 使えない茶碗? (1)
- 第3話 公募展 (1)
- 第4話 失敗作 (1)
- 第5話 通勤時間 (1)
- 第6話 誰だったかな? (1)
- 第7話 二重人格 (1)
- 第8話 定収入 (1)
- 第9話 先生! (1)
- 第10話 審査 (1)
- 第11話 畑ちがい (1)
- 第12話 萬古焼 (1)
- 第13話 焼成 (1)
- 第14話 画廊めぐり (1)
- 第15話 オリジナリティー (1)
- 第16話 プラス志向 (1)
- 第17話 飯碗の悲劇 (1)
- 第18話 陶芸家の一日 (1)
- 第19話 他人の目 (1)
- 第20話 天気予報 (1)
- 第21話 風貌 (1)
- 第22話 メンテナンス (1)
- 第23話 100円ショップ (1)
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- 第25話 有名人 (1)
- 第26話 天職 (1)
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- 第28話 学校では 教えてくれない事 (1)
- 第29話 用途 (1)
- 第30話 陶芸と音楽 (1)
- 第31話 賞金 (1)
- 第32話 また、 やってしまった!!! (1)
- 第33話 発想 (1)
- 第34話 決めセリフ (1)
- 第35話 どこまでが 自分の作品? (1)
- 第36話 岡本太郎 (1)
- 第37話 プロとアマ (1)
- 第38話 UFO (物理の法則) (1)
- 第39話 煙草 (1)
- 第40話 売れ筋 (1)
- 第41話 コーヒーと器 (1)
- 第42話 ネクタイ (1)
- 第43話 陶芸用語 (1)
- 第44話 営業 (1)
- 第45話 陶芸教室 (1)
- 第46話 そういう事 だったのか! (1)
- 第47話 名刺 (1)
- 第48話 土と遊ぶ (1)
- 第49話 わかっていない! (1)
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