第27話 陶芸家の女房

  もしも私が未婚の女性でこれから結婚するとしよう。
嫁ぎ先の職業が陶芸家なら「2,3日考えさせていただきます。」
と言って別の男を探すだろう!
それほどに陶芸家に嫁ぐのは余程の覚悟が必要だ。

  理由はいたって簡単。かなりキツイからである。
体力的、時間的、経済的・・・数えればどんどん出てくる。

  結婚した当初、私は妻に仕事を手伝ってもらうつもりはさらさらなく、
家事に専念してもらうつもりだった。それは自分自身、結婚するまで焼き物
をやっている家に生まれ、自分の母親を見て育ってきたからである。
家事と焼き物の手伝いというのは決して楽な環境とは思えなかった。

  それがどっこい、今はバリバリに働いてもらってしまっている!

  職業に貴賎の差は無いが、やはり都会のOLに比べれば、肉体労働が
多いし、化粧や良い服などは無縁の世界だ。それでいて高収入が得られる
訳でもなく、実際、現時点で私は妻に給料は払っていない。
つまりタダ働きである。・・・と言っても妻が手伝ってくれた事が
私の収入につながり、それで生計を立てている訳だから
まるきり「タダ」という訳ではないかも知れないが・・・・ 

  陶芸家の妻の仕事は雑用に始まり、雑用に終る。

  バケツを洗ったり、花瓶のシリコン塗り、作品リストの製作、
作品の寸法を計り木箱等の発注、コンピューターの中に作品画像を
整理したり・・・これらの雑用の集積は非常に大事な仕事で、
実のところ陶芸家の仕事の約3分の1程度はこうゆう雑用なのだ。
だから妻の助けなしでは正直私は陶芸家としてやって行けないと言って
過言ではない。

  そして、この上に私の製作が遅れてくると妻に作陶の一部を
手伝ってもらうはめになるのだが、「ここが悪い、あそこが悪い!」と
私の説教を聞くはめになり、まあ一応に気の毒だ。

  もうこうなったら、自分の運命が悪かったとあきらめてもらう
しかない。かわいそうだ!

  この独り言を読んで下さっている独身女性に言いたい。
もし結婚するなら陶芸家はやめて、どこかのお金持ちとの結婚を勧めたい。
え?そんな事言われなくても分かっている?はい、失礼しました。

  この独り言を読んで下さっている既婚女性に言いたい。
もっと女房を大事にしろって??
う〜、同じように私も大事にしてもらいたい〜。トホホホ

2000年10月5日
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