第34話 決めセリフ
数多くの個展を開いているうちに、ある法則というか決った言葉や
セリフのやりとりに遭遇する機会が多くなる。今回の独り言は、
そういった事のいくつかを紹介する事にする。
其の一、「また来ます!」・・・・このフレーズの意味は
もう来ないという事。個展会場を一巡し、色々と話をさせていただき、
出口あたりにさしかかると「また来ますね!」と言って
画廊を出て行かれるが、ほとんどの場合これは「もう来ない」と
いう意味でとらえて間違いない。
これに似た言葉で「会期はいつまでですか?」
「何曜日までやっているんですか?」もまた同意語。
でも本当に再来してくれたお客様は作品を購入してくださる可能性は
極めて高い。
其のニ、「人間国宝の作品を持っています!」
・・・・これもよく会場で聞く言葉。
全国でこれほどまでに人間国宝の作品を持っておられる方が多いとは
驚きである。この場合、私の作品の話というより終始その人間国宝の方の
作品の話で終る。
「早く、美術年鑑に載っている作家になってくださいね」
とも、よく言われるが、すでに載っているので返事にも困る。
この場合、相手を立てて
「はい、がんばります!」と答えるようにしている。
其の三、「この作品が欲しいけど、まず家を立て直さないと!」
・・・・このフレーズは本当に多い!嬉しい反面、悲しいお言葉である。
其の四、「これは何焼ですか?」
・・・・これもBEST3に入る質問。
以前の「独り言」に書いたけれども、非常に返答に困る質問のうちのひとつ。
結局最後には「自分焼です」というセリフで一件落着!
其の五、「これはどうやって作るのですか?」
・・・・この質問をされる方は高い確率で陶芸を実際に製作された
経験をお持ちの方か、現在、陶芸教室に行かれている方の質問。
私は技法を隠すつもりはないので、全部お答えいたします。
どうぞ、お気軽にどうぞ!
其の六、「先週、高い物を買った!」
・・・・これも思わず笑ってしまうフレーズ。
あまりにも先週に高い物を買った人が多いのですから・・・
其の七、「そ〜言えば、この作品、どこかの本で見た!」
・・・・とても嬉しいお言葉なのだが、実際に私の作品はほとんど雑誌等に
は紹介されていない。
「ありがとうございます、最近あちこちで載っているという話を聞きます」と答えてしまう。
「いえ!載っていません!」と答えるとお客様のプライドを傷つけかねない。
地方紙の小雑誌でも載った事には変わりないので、そのように答えるようにしている。
其の八、「将来、値が上がるかも知れないね!」
・・・・そうおっしゃる方の多くは、値が上がる前には購入されない。(爆)
私の作品を購入されるお客様は投資目的の人はほとんどなく、
実際に使われる為に購入されるのが実情だ。
「値が上がる」という意味は「有名になる」とまったくの同意語。
将来有名になるかも知れない?けど保障がないので見送り!!というケース。
・・・・とまあ、まだまだ「決めセリフ」というのは存在するが、
今回はこれまで。
これを私は決して悪い意味にはとっていない。
私も平凡な小市民なのだから、お客様の気持ちは理解できるし、
私とて何かを断る時に「また、今度ね!」と言って断る事もよくある。
(今度はないのに・・)
たぶん、これからもたくさんの個展会場でこの「決めセリフ」を
聞く事となるだろう。
2000年12月16日
セリフのやりとりに遭遇する機会が多くなる。今回の独り言は、
そういった事のいくつかを紹介する事にする。
其の一、「また来ます!」・・・・このフレーズの意味は
もう来ないという事。個展会場を一巡し、色々と話をさせていただき、
出口あたりにさしかかると「また来ますね!」と言って
画廊を出て行かれるが、ほとんどの場合これは「もう来ない」と
いう意味でとらえて間違いない。
これに似た言葉で「会期はいつまでですか?」
「何曜日までやっているんですか?」もまた同意語。
でも本当に再来してくれたお客様は作品を購入してくださる可能性は
極めて高い。
其のニ、「人間国宝の作品を持っています!」
・・・・これもよく会場で聞く言葉。
全国でこれほどまでに人間国宝の作品を持っておられる方が多いとは
驚きである。この場合、私の作品の話というより終始その人間国宝の方の
作品の話で終る。
「早く、美術年鑑に載っている作家になってくださいね」
とも、よく言われるが、すでに載っているので返事にも困る。
この場合、相手を立てて
「はい、がんばります!」と答えるようにしている。
其の三、「この作品が欲しいけど、まず家を立て直さないと!」
・・・・このフレーズは本当に多い!嬉しい反面、悲しいお言葉である。
其の四、「これは何焼ですか?」
・・・・これもBEST3に入る質問。
以前の「独り言」に書いたけれども、非常に返答に困る質問のうちのひとつ。
結局最後には「自分焼です」というセリフで一件落着!
其の五、「これはどうやって作るのですか?」
・・・・この質問をされる方は高い確率で陶芸を実際に製作された
経験をお持ちの方か、現在、陶芸教室に行かれている方の質問。
私は技法を隠すつもりはないので、全部お答えいたします。
どうぞ、お気軽にどうぞ!
其の六、「先週、高い物を買った!」
・・・・これも思わず笑ってしまうフレーズ。
あまりにも先週に高い物を買った人が多いのですから・・・
其の七、「そ〜言えば、この作品、どこかの本で見た!」
・・・・とても嬉しいお言葉なのだが、実際に私の作品はほとんど雑誌等に
は紹介されていない。
「ありがとうございます、最近あちこちで載っているという話を聞きます」と答えてしまう。
「いえ!載っていません!」と答えるとお客様のプライドを傷つけかねない。
地方紙の小雑誌でも載った事には変わりないので、そのように答えるようにしている。
其の八、「将来、値が上がるかも知れないね!」
・・・・そうおっしゃる方の多くは、値が上がる前には購入されない。(爆)
私の作品を購入されるお客様は投資目的の人はほとんどなく、
実際に使われる為に購入されるのが実情だ。
「値が上がる」という意味は「有名になる」とまったくの同意語。
将来有名になるかも知れない?けど保障がないので見送り!!というケース。
・・・・とまあ、まだまだ「決めセリフ」というのは存在するが、
今回はこれまで。
これを私は決して悪い意味にはとっていない。
私も平凡な小市民なのだから、お客様の気持ちは理解できるし、
私とて何かを断る時に「また、今度ね!」と言って断る事もよくある。
(今度はないのに・・)
たぶん、これからもたくさんの個展会場でこの「決めセリフ」を
聞く事となるだろう。
2000年12月16日
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