第51話  陶芸家の年賀状

  早いものでもう3月の後半である。本当に月日の流れるのは早く、
中年老い易く学成り難しである(爆)

  しかし、この3ヶ月間にちょくちょく私が出した年賀状の話題が、
教室の生徒さん、はたまた個展会場であった。

  今年、私が出した年賀状には家族全員が電動ろくろの前に座り、
作品を作っている写真で構成されていた。それを見た人が、
「いいわね〜!家族で陶芸なんて〜!」とか「さすがに陶芸一家だね〜!」
な〜んて言ってくれるのである。

  しかし、この写真は実は「ヤラセ」なのである。

  実際にろくろがひけるのは私だけで、あとの女房、子供2人はろくろを
しているフリだけなのである。そうなのだ、私の年賀状は嘘八百なのである(^◇^;)

  あはは、ごめんなさい!ちなみに去年の年賀状は家族4人がビートルズになった(爆)

  たかが年賀状、されど年賀状。印刷会社に印刷してもらった年賀状、
しかもありきたりの新年のご挨拶文ではやはり寂しい。
正直その手の年賀状は読む時に右から左といったパターンである。
全然、記憶に残らない。

  一昔前までは手作り年賀状でなければと、筆で書いたり、芋版画、
ゴム版画等で作っていたのだが、年々年賀状を出す数が増えて、
とても手作りとはいかなくなってきた。芋版画なんて20枚分も使えば
ボロボロになってきてとてもじゃないが、非能率的である。

  私の場合、家族全員で約400枚の年賀状を暮れに
郵便局に頼むのであるが、まあ、それが多いか少ないかはわからないけど、
とにかく純粋なる手作り年賀状は無理な状態になった。

  かと言って、つまらない賀状では、陶芸家・・・アーティストの端くれ
として・・・許されない事である。年賀状も作品の一部なのだーーーー!!
(ちょっとカッコつけすぎです)

  ここはやはり、文明の力を借りない手はない。
昨今はパソコンとプリンターがあり、デザインやアイデアさえしっかりやれば、
手作り年賀状にも匹敵する・・いやそれ以上の効力を発揮するのだ。

  つまりはインパクト!記憶に残るような賀状にしたい。ただそれのみである。
先ほどカッコつけて「賀状も作品の一部だ〜!」などと書いたが、
あながち素通りされるのをいやがるのは、年賀状も作品も同じなのである。

  毎年、ある陶芸家から年賀状をいただくが、
「ザ・陶芸家」という年賀状である。その年賀状を見ながら
「やはり陶芸家たるのも、賀状も手を抜いてはいかん」と
年の初めに思わされるのである。

・・・・って「なんだ?この年賀状は???」と言われているかも知れないけど・・・

2004年3月20日
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