第26話 天職
「いいですね〜、好きな事が仕事でうらやましいです!!」と
よく人に言われる。
用事で人に会う時も、個展会場でも、初めてうちの工房を訪ねてくれる人も、
示し合わせたように同じ風に言われる。
確かに陶芸は好きだし、それを仕事としている。
実に幸せであると思っている。稀に「天職ですね!」とも言われる。
しかしながら本当に陶芸家が天職であるかどうかはわからない。
人の命は限られていて、その間に職業を選んでいるわけで後戻りが
できない。だから1000の職種があれば、すべて体験してどれが
自分に1番合うかという具合にはいかないのである。
それと現時点で「陶芸家が天職だろうか?」と思ってしまうのには
理由がある。公募展に入選しグランプリに輝き、たくさんの賞を頂いてもなお、
「自分は陶芸家に向いていないんじゃないか?」と思う時が正直ある。
いわゆる、スランプである。この時期に突入すると最悪である。
アイデアにしても考えても、考えても、新しい斬新な発想が湧いてこない。
製作においても、なぜか失敗続きでむしろ寝てた方がまし状態の時がある。
何をやってもうまくいかず、土を見るのも触るのもいやになる。
「あ〜だめだ!向いてないな〜!」と愚痴をこぼしていまうのだ。
まあ、人間だから調子の良い時もあれば悪い時もあるから、
土を見るのがいやになったからと言って、陶芸を嫌いになった訳でもないし、
この職業を変えようと思った事もない。
(本当は他には何もできないから、変えられないのも事実だが)
しかしながら「天職」という言葉の響は私にとって重厚で威厳のある
言葉なのだ。だから「はい!陶芸は天職です!」と軽軽しく断言なんて
できない。言うだけなら簡単だけど・・
「天才」「才能」「才覚」等はある意味生まれ持った「才」の事で
努力したから得られる物では決してない。天職とはこの「才」によって
のみ、意味付けられる言葉なのだ。
「天職」だったかどうかは、これから先・・・
自分自身の努力と「才」による成果が結果に結び付いた時、
はじめて「天職」だったかどうか判断できると思っている。
「やっぱり陶芸が天職だった!!」と言える、そういう日が
くる事を心の底から望んでいる。
「転職しとけばよかった・・」なんてならぬように・・・
2000年9月15日
よく人に言われる。
用事で人に会う時も、個展会場でも、初めてうちの工房を訪ねてくれる人も、
示し合わせたように同じ風に言われる。
確かに陶芸は好きだし、それを仕事としている。
実に幸せであると思っている。稀に「天職ですね!」とも言われる。
しかしながら本当に陶芸家が天職であるかどうかはわからない。
人の命は限られていて、その間に職業を選んでいるわけで後戻りが
できない。だから1000の職種があれば、すべて体験してどれが
自分に1番合うかという具合にはいかないのである。
それと現時点で「陶芸家が天職だろうか?」と思ってしまうのには
理由がある。公募展に入選しグランプリに輝き、たくさんの賞を頂いてもなお、
「自分は陶芸家に向いていないんじゃないか?」と思う時が正直ある。
いわゆる、スランプである。この時期に突入すると最悪である。
アイデアにしても考えても、考えても、新しい斬新な発想が湧いてこない。
製作においても、なぜか失敗続きでむしろ寝てた方がまし状態の時がある。
何をやってもうまくいかず、土を見るのも触るのもいやになる。
「あ〜だめだ!向いてないな〜!」と愚痴をこぼしていまうのだ。
まあ、人間だから調子の良い時もあれば悪い時もあるから、
土を見るのがいやになったからと言って、陶芸を嫌いになった訳でもないし、
この職業を変えようと思った事もない。
(本当は他には何もできないから、変えられないのも事実だが)
しかしながら「天職」という言葉の響は私にとって重厚で威厳のある
言葉なのだ。だから「はい!陶芸は天職です!」と軽軽しく断言なんて
できない。言うだけなら簡単だけど・・
「天才」「才能」「才覚」等はある意味生まれ持った「才」の事で
努力したから得られる物では決してない。天職とはこの「才」によって
のみ、意味付けられる言葉なのだ。
「天職」だったかどうかは、これから先・・・
自分自身の努力と「才」による成果が結果に結び付いた時、
はじめて「天職」だったかどうか判断できると思っている。
「やっぱり陶芸が天職だった!!」と言える、そういう日が
くる事を心の底から望んでいる。
「転職しとけばよかった・・」なんてならぬように・・・
2000年9月15日
| 1/1 pages |
- Categories
-
- 第1話 陶芸家という職業 (1)
- 第2話 使えない茶碗? (1)
- 第3話 公募展 (1)
- 第4話 失敗作 (1)
- 第5話 通勤時間 (1)
- 第6話 誰だったかな? (1)
- 第7話 二重人格 (1)
- 第8話 定収入 (1)
- 第9話 先生! (1)
- 第10話 審査 (1)
- 第11話 畑ちがい (1)
- 第12話 萬古焼 (1)
- 第13話 焼成 (1)
- 第14話 画廊めぐり (1)
- 第15話 オリジナリティー (1)
- 第16話 プラス志向 (1)
- 第17話 飯碗の悲劇 (1)
- 第18話 陶芸家の一日 (1)
- 第19話 他人の目 (1)
- 第20話 天気予報 (1)
- 第21話 風貌 (1)
- 第22話 メンテナンス (1)
- 第23話 100円ショップ (1)
- 第24話 チャリティー (1)
- 第25話 有名人 (1)
- 第26話 天職 (1)
- 第27話 陶芸家の女房 (1)
- 第28話 学校では 教えてくれない事 (1)
- 第29話 用途 (1)
- 第30話 陶芸と音楽 (1)
- 第31話 賞金 (1)
- 第32話 また、 やってしまった!!! (1)
- 第33話 発想 (1)
- 第34話 決めセリフ (1)
- 第35話 どこまでが 自分の作品? (1)
- 第36話 岡本太郎 (1)
- 第37話 プロとアマ (1)
- 第38話 UFO (物理の法則) (1)
- 第39話 煙草 (1)
- 第40話 売れ筋 (1)
- 第41話 コーヒーと器 (1)
- 第42話 ネクタイ (1)
- 第43話 陶芸用語 (1)
- 第44話 営業 (1)
- 第45話 陶芸教室 (1)
- 第46話 そういう事 だったのか! (1)
- 第47話 名刺 (1)
- 第48話 土と遊ぶ (1)
- 第49話 わかっていない! (1)
- 第50話 ショッカーな作品 (1)
- 第51話 陶芸家の年賀状 (1)
- 第52話 元総理の職業 (1)
- Links
- Search this site.
- Mobile