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第40話 売れ筋

  私のような作品でも不思議と「売れ筋」というのがある。
形、デザイン、色、価格の関係であろうか?
いわゆる「定番」みたいな作品が存在する。
それとは逆に絶対に売れていかない作品もある。
それは作家が気に入っている作品であってもだ。

  だからと言ってその「売れ筋」ばかり並べても
やはり個展は面白くない。
やはりその事とは別に、自分の色々な作品も並べたい。
(売れ筋の作品が自分の作りたいものではないという訳ではない)
・・・しかし、自分の自信作というのは、得てして評判が良いとは
限らない。いや、むしろ「今回の個展の一押し作品」というのは
最後まで売れ残る場合が多い。

  逆に自分の中ではあまり高得点をあげられない・・・と
思っている作品が売れていくというケースもめずらしくない。
(高得点をあげられないというのは、自分の1番のお気に入り作品と比較しての事)

  そこにお客さんと作家との間に、大きな価値基準や美意識の違いが
ある事を痛感するが、十人十色であるのだから、それはそれで良い。
どちらが正しいという問題ではない。しかしながら、
「どうして、この作品の良さを理解してくれないのだろう?」と
一人よがりの考えが浮かんでしまう事も正直にここに記そう。
なぜか、我を忘れて没頭した作品ほどこういう憂き目にあう事が多い。

  あの有名なユーミンでさえも、自分の世界に没頭しすぎて、
作った曲をダンナ様に聞いてもらうと
「これは自分の世界に入りすぎていて、他の人には理解してもらえない」と
言う事でアドバイスを受け、リメイクする事もしばしばあると聞く。

  この気持ちはすごくよく理解できる。
作品でも「これはいい!」と思って製作しても、ウケが悪い時がある。
「以前の作品の方がよかった!」とか言われてしまう時もあるが、
稀に「これは良いね〜!」なんて言って買ってくださるお客さん、
いや、買っていただかなくても沢山の作品が並んでいる個展会場にて
「一押し作品」に一票を投じてくださる人がいると、本当に嬉しくなる。

  売れ筋の作品とは、多くの人が理解できうる、また評価してもらえる
作品という事になるのであろうか?それはまた別の意味で捉えると、
一般的常識内、大多数の美的感覚内、安心、異端でない・・・等の作品と
いう事なのだろうか?

  正直、今回の「独り言」は答えが出ない。

  売れる作品とは何なのか?売れていかない作品とは何なのか?
売れる事ばかり考えて作品を作るのか?売れていかなくても、
自分勝手な作品を作り続けるべきなのか?売れ筋を大事に守ってゆくのか?
売れ筋を放棄してまでも、また新しい事に挑戦するのか?

  「作家は売れてなんぼ」だと思っている。売れなければ、
評価を受ける事もない。その点、私は爆発的に売れる作家でもないし、
有名でもないから作家としては半人前だろう。黙っていて何でも売れていく
作家ではない私の取るべき方向はどちらに向いているのだろう?

  売れ筋とそうでない作品たち・・・・時々迷路に迷い込む。

2001年2月26日
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