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第21話 風貌

  はっきり言って私は童顔だ!自慢するとかしないとかの問題ではない。
客観的な事実を述べている。

  今、現在37才なのだが、どう見ても年相応には見られないみたいで
ある。極端な例ではあるが、先日、大学生に間違えられてしまった。
あまりに老けて見られるのも、嫌なものだがあまりに若く見られるのも、
自分としてはちょっと・・・という感が否めない。

  個展の準備をしていても、はじめてお会いする方は、お弟子さんが
準備をしているのだと、勘違いされる始末である。
(弟子なんてとれる身分じゃないのに)

  個展開催時には悲惨である。誰も私が作家だとは気付かない。
スーツにネクタイ姿で個展会場に立っていようものなら、
店員もしくは外商の人に間違われる。「陶芸家」と「熊本」という苗字から
連想される人物像(風貌)と本人とはかなりかけ離れているみたいだ。

  店員さんが「この方が作家さんです」とお客さんに紹介すると、
決って「若い作家さんですね〜!」と驚かれる。漠然とした陶芸家の
イメージはやはり「おっさん」や「おじいさん」なのである。
(事実、私はおっさんなのだが)しかも若い作家の作品は未熟という
イメージで見られるのもツライものがある。確かに未熟者だけれども
同じ作品でもおじいさん作家が作ったのと若い作家が作ったのでは
見られ方に差が出てくるのが、傍で見ていてよくわかる。

  つまらない話だが、なんとか年相応に見られ、威厳を持つには
どうすれば良いか自分なりに考えた結果、髭を伸ばす事にした。
2週間ほどガンバッテ伸ばしてみたが・・・なんとも評判が良くない。
カミさんからは特に嫌われた!!体が大きくローマの兵士みたいな体格なら
まだしも、背が低く痩せている私が髭を伸ばすとインドの修行僧になって
しまうのだ。トホホである。

  人によっては「芸術家は若く見られるもんだよ!」と言うし、
ある人は「苦労が足りないから、若くみられるんだ」と
説教をくらうはめになってしまう。どちらの意見も当たっているようで、
はずれているようで・・・

  人間にはどうしようもない事柄がたくさんある。
歯並びや鼻の高さなどの外見的要素は、努力とはまったくと言って
関係ない。知的な顔つきだから優れている人間という訳でもないし、
しわが多いから苦労を知っている訳でもない。

  外見は非常に大事な要素である事には間違いないが、外見だけで
人物を判断されるのは正直、あまり気分が良いものではない。

  昔、どこかで「心だけで生まれてくればよかった」なんて
セリフを聞いた事があるが、この歳になって、その気持ちがわかる
自分がちょっと情けない。 (沈)

2000年7月25日
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