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第14話 画廊めぐり

  先日、東京へ用事で出かけた時、暇を見つけて銀座の画廊めぐりを
やってきた。有名百貨店の画廊から路地裏にある画廊まで、とりあえず
陶芸作家の個展を片っ端から訪れた。

  個展会場には作家らしき人。いつもとは立場が逆転してお客さんと
して会場の中を歩き、作品を鑑賞する。
もちろんただ鑑賞するだけではなく、技法や手法などを想像し時には
作家に直接質問する場合もある。値段の付け方なども参考にする時もある。

  一口に画廊で個展と言っても色々である。趣味や教室の生徒さん、
定年退職後の作家さんなど主に作品発表会としての個展。
それと個展を生活の糧を得るために開いている人(私みたいな人ですね)。
色々である。

  作り手も色々なら画廊のオーナーも色々である。
私は陶芸を専門に見て回っているのだけど、やはりオーナーの趣味、
嗜好が展覧会に如実に反映されている。こだわりと呼ぶのであろうか?

  その中でも特に若手作家に気軽に開放してくれる画廊の主人には敬意を
はらいたい。当然若手作家の多くは有名ではない。よって集客人数、
売上等そんなに多くは期待できない。貸し画廊の場合、賃貸料を前もって
支払うので売れても、売れなくても画廊側には関係ないのであろうが、
それでも画廊のレベルを維持するために、ある程度の力量がないと個展を
させてくれない所もある。

  まあ、それは画廊側が決める事だからこちらから何も言う事はない
のだが、それでも将来を期待して快く開放してくれる画廊には頭が下がる
思いだ。無名作家の個展よりはやはり有名作家が使ってくれた方が
やはりメリットが多いだろうから。

  某有名デパートの美術の人とこんな話をした事がある。
「ここで個展をさせていただくには、どうすればいいんでしょうか?」と
私が訪ねると、「失礼ですけど、先生はいくら売りますか?」と
いう返事が返ってきた。

  別にこの返事に腹は立たなかった。
デパートも遊びでやってる訳じゃない。
作家は売れてなんぼだと私自身もそう思っている。

  万が一、私がそこそこ有名になってそこそこ売れる作家になった時、
損を承知で開放してくれた画廊には「ここの画廊に育ててもらった」
なんて事を会う人、会う人に吹聴するであろう。
そして、こうも吹聴するだろう、
「私が無名だった頃、あそこの画廊には門前払いをくった」と・・・

  人間は勝手なもので、自分に都合のいい事しか言わないものだ。
今回の独り言もきっとそうだろう!それぞれの立場、立場でモノを見ると
意見は違ってくる。とりあえず今は、良い作品を作る事に心がけ、
どこからでも声をかけていただけるように作陶するしかない。
やはり作品勝負なのだから。

2000年5月15日
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